Official Staff
燃やして描く。人が生命を燃やす瞬間《蔡國強展:帰去来》横浜美術館
世界的な現代美術家である蔡國強の個展『蔡國強展:帰去来』が7月11日(土)より横浜美術館において開催される。蔡は火薬を燃やすことでカンバスに絵を定着させる“火薬ドローイング”と呼ばれる手法で作品を制作することで知られる。
本展のために蔡は6月より横浜に滞在、6月20日には火薬ドローイングによる限定的な公開制作を同館のグランドギャラリーで行った。そのときの模様が本サイトのトップページにある作品の前に立つ蔡の姿であり、本展の目玉とも言える、グランドギャラリーの壁面いっぱいに展示された新作『夜桜』だ。
蔡は公開制作後も本展のために新作『人生四季 春、夏、秋、冬』の4作品をグランドギャラリーで制...
Official Staff
動くってオモシロいっ!《菱川勢一ディレクション 動きのカガク展》21_21 DESIGN SIGHT
毎回、たのしかったり、びっくりしたり、ホォ〜と思わせてくれる21_21 DESIGN SIGHTの企画展。6月19日から「動き」がもたらす表現力に触れ、観察し、その構造を理解し体験する『動きのカガク展』がはじまった。
同展では「八重の桜」をはじめとしたNHK大河ドラマのオープニング映像や数々の企業CMを手がける、モーションデザインの第一人者、菱川勢一をディレクターに迎え、ものづくりの楽しさを感じ、科学技術の発展とデザインの関係を改めて考える。これまでの同館での企画展では最先端の目新しい作品が紹介されることが多かったが、今回は目新しさにばかりとらわれるのではなく、「動き」の原点に立ち戻った...
Official Staff
蔡國強の夏! 横浜、越後妻有、東京へ。まずは横浜美術館『蔡國強展:帰去来』
今年行われる中でもっとも期待されている展覧会のひとつ、中国人アーティストのスーパースター、蔡國強(さいこっきょう/ツァイ・グオチャン)の展覧会『蔡國強展:帰去来』が7月11日(土)より横浜美術館で開催される。
蔡國強は、火薬の爆発によって描く絵画や、スケールの大きなインスタレーション、中国の文化・歴史・思想から着想を得た作品など、ダイナミックな表現力と理解しやすいコミュニケーション力を持った手法で、アートファンのみならず幅広い人々を魅了しているアーティストだ。横浜美術館のグランドギャラリーなど、余裕のある空間を活用したスケールの大きな作品を期待したい。
7月26日(日)からは今夏、開催さ...
Official Staff
夏至の前日、日の出とともに。オノ・ヨーコ《モーニング・ピース2015》が全世界で開催:東京都現代美術館
オノ・ヨーコの作品「モーニング・ピース」がはじめて行われたのは1964年5月24日、新橋の画廊だった。翌年9月にはニューヨークの彼女の自宅屋上でも実施された。その50周年を記念して、ニューヨーク近代美術館(MoMA)において開催中の「Yoko Ono: One Woman Show, 1960-1971」展の関連企画として、「モーニング・ピース2015」がMoMAのグローバル・パートナー8館※で全世界で同時開催される。
日本での開催となる東京都現代美術館では、6月21日(日)の日の出から門を開け、美術館正面入口の外、西側にあるテントでイベントが実施される。本イベントでは、参加者は任意の未...
Official Staff
殿、天晴!日本初の『春画展』を永青文庫で9月開催
「枕絵」や「偃息図(おそくず)」と呼ばれ、江戸時代での浮世絵で庶民に広まった「春画」。鈴木春信や喜多川歌麿、葛飾北斎といった絵師も腕をふるった日本美術の重要なピースだ。2013年に大英博物館で開催された「春画-日本美術の性とたのしみ」は3ヶ月で9万人近くの来場者を集め、大変な話題となった。その春画を集めた『春画展』が9月19日(土)より、永青文庫(東京・文京)で開催される。日本での巡回が決定していたものの、描写が過激なことで開催を申し出る美術館が見つからず開催が見送られていた。肥後熊本藩主だった細川家の第18代当主で、細川家の文化財を所蔵する永青文庫理事長の細川護煕元総理大臣が「義侠心か...
Official Staff
本の上の彫刻:スー・ブラックウェル《Dwelling -すみか-》
電子書籍では成立し得ないアート、それがスー・ブラックウェルが手がける、本を素材とした彫刻=ブック・スカルプチャーだ。ブラックウェルは文学作品をインスピレーションに作品づくりを行う。本を選び、読み終えると、物語のイメージをもとに、読んだ本のページをカットし、本の上に彼女の空想風景を構築していく。本の上という限られた小さな空間に、繊細で儚げな世界が生み出される。彼女の新作となる、ガストン・バシュラールの「空間の詩学」を素材とした「Dwelling すみか」をはじめ、ブック・スカルプチャー11点を紹介する『スー・ブラックウェル「Dwelling -すみか-」』が銀座のポーラミュージアムアネック...
Official Staff
台湾式、ちょっとエロくてポップなマンガチック・ワールド:王建揚《宅-HOUSE》
ポップで、ちょっとエロくて、アニメやマンガのような超現実の世界。台湾のアーティスト、王建揚が描く世界はテーマや手法はありそうなものであるはずなのに、中華風味の独特なテイストが漂う。すべてが現実の中のセットで作り上げられているにも関わらず、モデルだけが現実であるかのように浮き出て見えるのもユニーク。モノクロでマンガのコマに描きこまれた世界に、現実のモデルが溶け込んだ作品も必見。「GEISAI TAIWAN #1」で《宅》シリーズで審査員個人賞を獲得した王は、アジアを中心にワールドワイドで積極的に活動を展開している。ウェブを駆使し、絵画やマンガ、ネット上のイメージを引用し再構築するという、ま...
Official Staff
ダ・ヴィンチ、最高傑作の謎:レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展 5月開催
レオナルド・ダ・ヴィンチの未完の大壁画「アンギアーリの戦い」。シニョリーア宮殿でのミケランジェロとの戦闘画の競演において、部分的に描かれた「アンギアーリの戦い」だったが、半世紀以上未完のままとなり、ジョルジョ・ヴァザーリの新たな壁画装飾によりその全貌は謎に覆われてしまった。その失われた壁画の中心部分をなす「軍旗争奪」の戦闘場面を描いた「タヴォラ・ドーリア(ドーリア家の板絵)」の日本初公開となる『レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展』が5月26日(火)より東京富士美術館において開催される。国外流出した「イタリアの重要な文化遺産」として認定されていた同作は、同館が1992年に購...
Official Staff
暁斎とコンドル。明治のTokyoで出会ったふたつの才能《画鬼・暁斎 ─ KYOSAI》三菱一号館美術館
幕末明治の絵師、河鍋暁斎(1831〜1889)は、6歳で歌川国芳に入門、9歳で狩野派に転じてその正統的な修業を終えながらも、浮世絵などさまざまな手法を取り込み、ユニークで型破りな画業を展開し、絶大な人気を博した。狩野派での師・前村洞和愛徳に、絵に対する熱心さから「画鬼」とまで呼ばせた類まれな絵師の画業を紹介する『画鬼・暁斎 ─ KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル』が三菱一号美術館で6月27日より開催される。
一方、暁斎の弟子で、三菱一号館を設計した英国人建築家ジョサイア・コンドル(1852-1920)は、明治政府に招かれて明治10(1877)年に来日、日本の近代建築に大きな...
Official Staff
ミュージアムへ行こう! 5月18日は「国際博物館の日」
ICOM(国際博物館会議)は5月18日を「国際博物館の日」とし、博物館が社会に果たす役割について広く市民にアピールしている。2015年は“Museums for a sustainable society” -持続する社会と博物館-をテーマとして、全国の博物館・美術館等でさまざまな記念事業が予定されている。5月18日は月曜のため、前日の5月17日(日)や19日(火)に記念事業が行われる施設が多くなっている。利用者にとってうれしいのは常設展示の無料鑑賞や記念品の配付などがあること。博物館、美術館の集中する上野エリアでは「上野ミュージアムウィーク」として、5月9日〜24日の期間、さまざまなイ...
Official Staff
音楽が聞こえてくる、動く絵画:横浜美術館《BILLOWING LIGHT ISHIDA TAKASHI 石田尚志 渦まく光》
石田尚志は「ムービングピクチャー(動く絵)」と言われる、絵画にアニメーションの手法である「ドローイングアニメーション」を取り入れた映像作品を展開している。音楽が聞こえてくるような絵画作品は数々あるが、石田の作品は音楽そのもの。映像の中を躍動し、刻み続ける“線” はまさに音楽そのものだ。とりわけ日差しや火のモチーフが線描と絡み合い、“光の渦” を出現させる「部屋」シリーズは必見。この横浜美術館の空間と静けさが生み出す展示環境だからこそ、音楽が溢れだす、石田の映像作品が生きてくる、まれに見るベスト・マッチングだ。会期は5月31日まで。終了後は石田が作家活動をスタートさせた縁の地、沖縄に巡回する。