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不自由で自由な展覧会:水戸芸術館《山口晃展 前に下がる 下を仰ぐ》
山口晃というアーティストはつくづく自由な作家だと思う。緻密だったり、大胆だったり。ポップだったり、クラシックだったり。クールだったり、おちゃらけてたり。まさに縦横無尽、八面六臂。そうしたさまざまな意味での彼の楽しさが爆発するのが展覧会だ。これまでの展覧会もとても楽しいものだったが、まもなく会期終了となる水戸芸術館で開催されている『山口晃展 前に下がる 下を仰ぐ』は自由な発想で構成された不自由な展覧会だ。その不自由さと言ったら、まさに山口ワールド。なにが不自由かをお伝えするのは簡単だが、ここはぜひ実際に行って、体験すべきだと思う。水戸は遠いなんて言わずに、ぜひ行って体験いただきたい。絶対に...
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楽しみは展覧会だけじゃない。『鳥獣戯画 ─京都 高山寺の至宝─』展、充実のグッズに注目
上野の東京国立博物館で開催中の『鳥獣戯画 ─京都 高山寺の至宝─』展ですが、大変充実した展覧会だが、ぜひチェックしていただきたいのが数々のグッズ。公式図録(2,700円)やクリアファイル(600円)や鳥獣戯画のトランプ(写真)、定番の「おたべ」(540円)なんかは序の口。とにかく兎や蛙がかわいい、という方には、兎や蛙が描かれたiPhoneケース(2,500円)やクッション(3,000円)、兎と蛙の口からメッセージの吹き出しがある型抜きポストイット(550円)、絵巻の動物たちが描かれたマスキングテープ(700円)がオススメ。変わったところだと、線をなぞって名場面が写せる写経絵(600円)も...
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兎も蛙も人も、イキイキ。これこそニッポンの表現力の原点。東京国立博物館:《鳥獣戯画 ─京都 高山寺の至宝─》
修復後、京都で初公開され20万人を動員した「鳥獣戯画」が東京で公開される「特別展『鳥獣戯画─京都 高山寺の至宝─』」(〜6月7日)が東京国立博物館で開幕した。四年の歳月をかけて修復した甲乙丙丁の四巻からなる「鳥獣戯画」に加え、断簡4作もあわせて公開される大変貴重な機会となる。また、所蔵する京都・高山寺の中興の僧・明恵(1173~1232)に関わる資料や、国宝「華厳宗祖師絵伝(華厳縁起)」なども展示されている。展示の4分の3は高山寺関連で鳥獣戯画は4分の1、甲乙丙丁が最も人気のある甲巻が最後という並び方。各巻とも前期展示と後期展示で展示される部分が異なり、会期中二回足を運ばないとすべてを見...
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六本木 “メディア” アートナイト コアタイムまもなく
『六本木アートナイト2015』が4月25日と26日に開催される。「ハルはアケボノ ひかルつながルさんかすル」をテーマに行われる今回は新設されたメディアアートディレクターにライゾマティクスの齋藤精一が就任、メディア・アートを大いに取り入れたアートイベントとなる。メインプログラムとして、巨大なミラーボールやLEDを実装した大型トラック「アートトラックプロジェクト ハル号 アケボノ号」が六本木ヒルズアリーナに展開する。18時のコアタイムキックオフからスタートして、六本木ヒルズ、東京ミッドタウン、国立新美術館の3つの拠点を中心に六本木エリアでさまざまなアートイベントが展開される。
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アート?マンガ? そんなことどっちでもいい。キョーレツなコンテンツがここにある:エルド吉水《龍子》
さまざまな巨大なパブリックアート作品を手がけてきたひとりのアーティストが紆余曲折の人生の経験を経て、みずからのアートの原点であるマンガに目覚めた。ギャラリーで立ち読みするマンガ『龍子』を公開するアーティスト、エルド吉水だ。
彼の個展ではマンガ原稿が主役であり、来場者は1ページ目から原画に向き合い、作品を楽しむ。数年に渡ってギャラリーで公開され続けている作品はついにフランスで出版されることとなった。世界発売に先駆けて、国内限定版がまんだらけで購入できる。
昭和の香りのする任侠とバイオレンスとサイケなエロが詰まったストーリーのノワール・マンガはまだまだ展開中。ストーリーの続きはまた東京のどこ...
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光琳が描き出した花のデザイン:《燕子花と紅白梅》根津美術館
2015年は享保元年(1716年)に没した尾形光琳の没後300年にあたる。根津美術館ではこれを記念して『光琳デザインの秘密 燕子花と紅白梅』を開催中だ。本展ではいずれも国宝の「燕子花図屏風」(同館所蔵)と「紅白梅図屏風」(MOA美術館所蔵)を56年ぶりに同時公開している。京の高級呉服商に生まれ、本阿弥光悦や俵屋宗達らの装飾芸術に触れ、独自の世界を確立した光琳が生み出した単純な構図と文様化された花の絵は、まさにデザイナー!と言えるモダンな世界。なお、この時期、根津美術館の庭では実際の燕子花も見られる。あわせて、初夏の風情を楽しみたい。会期は5月17日まで。
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光輝くウェディングをどうぞ。日下淳一:電飾白無垢ウエディングドレス
アートファン、美術界関係者なら展覧会のオープニング・レセプションなどで、きらびやかな電飾を施した真っ白なスーツ姿を一度ならず見かけた事があるはず。この電飾スーツのパフォーマンスを行っているのは現代美術家の日下淳一だ。彼は白無垢を仕立て直してスーツを作り、これに無数の発光ダイオードを取り付けたシリーズを制作している。新たな試みとして、電飾スーツと対をなす、電飾ウェディングドレスを制作した。日下はこの電飾ウェディングドレスを着て結婚式を挙げるカップルを募集しており、式の演出も含めプロデュースするという。アーティストが演出する結婚式、ぜひ見てみたい。ご興味のある方は kusaka@yk.rim...
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赤い糸が繋ぐのは都市の物語か? エスパス ルイ・ヴィトン東京《Le fil rouge》
先端に鉛がつけられた250本の糸が、天井から雨のように降り注ぎ、磁力により自由な線を空間に描いている。タティアナ・トゥルヴェのインスタレーション「250 Points Towards Infinity」だ。エスパス ルイ・ヴィトン東京においてグループ展『Le fil rouge(ル フィル ルージュ)』を開催中だ(5月31日まで)。本展は昨年開催された『IN SITU-1』同様、パリとミュンヘン、東京の3都において同時に開催するもので、"ル フィル ルージュ(赤い糸)”は"ストーリーを繋ぐ"という意味がある。8人のアーティストがそれぞれ「糸」を使った独自の作品を展開しており、東京では文楽...
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国内最大の見本市・アートフェア東京、開催中
国内外から数多くの一流のギャラリーが一堂に会する、国内最大のアート見本市「アートフェア東京」が有楽町国際フォーラムで開催中だ。古美術、工芸 から近代日本画・洋画、現代アートにまで様々なアートが集まり、時代やジャンルを超えた質の高い美術作品に触れることができる。そしてもちろん、それらを購入することができるのが最大の魅力といえる。これだけのギャラリーを会場を一回りするだけで見て回ることができない、またとない機会と言える。写真は毎回恒例となったメルセデス・ベンツとアーティストのコラボレーションで、今回のアーティストは森山大道。22日まで。
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こんないい思い、学生のうちだけ! 東京駅周辺美術館で「学生無料ウィーク」開催
3月17日(火)から31日(火)まで、東京駅周辺のブリヂストン美術館、出光美術館、三井記念美術館、三菱一号 館美術館、東京ステーションギャラリーの5つの美術館̶では大学生までの学生を対象に無料で美術館に入館できる「学生無料ウィーク」を開催中だ。上野や六本木に次いで美術館が集まる東京駅周辺の美術館を制覇するのにいい機会。とりわけブリヂストン美術館は5月から数年に渡る長期の立替休館に入るので必見。なお、各館で「学生」の定義は異なるのでウェブサイトなどで確認を。
◯ブリヂストン美術館「ベスト・オブ・ザ・ベスト」
◯出光美術館「没後50年 小杉放菴」
◯三井記念美術館「特別展 デミタス コスモス...
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彫刻の可能性をまた一歩進めた:名和晃平《FORCE》
3Dテクノロジーや化学的なアプローチから現代彫刻の新たな可能性に挑み続けている名和晃平の個展「FORCE」が谷中のSCAI THE BATHHOUSEで開催中だ。本展のメインとなるインスタレーション作品「FORCE」は同館の内装を一変させる大掛かりな仕掛けとなっている。
粘性のあるシリコンオイルは、天井から線を引いてホワイトキューブの床面に流れ落ち、高速の河となって再び天井へと戻る。液体でありながら、流動体である特性と重力により天と地をつなぎ、ひとつの形を象って、視覚的には彫刻と言える、見るものの意識を変革させる。4月18日まで。
www.scaithebarhhouse.com