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台湾式、ちょっとエロくてポップなマンガチック・ワールド:王建揚《宅-HOUSE》
ポップで、ちょっとエロくて、アニメやマンガのような超現実の世界。台湾のアーティスト、王建揚が描く世界はテーマや手法はありそうなものであるはずなのに、中華風味の独特なテイストが漂う。すべてが現実の中のセットで作り上げられているにも関わらず、モデルだけが現実であるかのように浮き出て見えるのもユニーク。モノクロでマンガのコマに描きこまれた世界に、現実のモデルが溶け込んだ作品も必見。「GEISAI TAIWAN #1」で《宅》シリーズで審査員個人賞を獲得した王は、アジアを中心にワールドワイドで積極的に活動を展開している。ウェブを駆使し、絵画やマンガ、ネット上のイメージを引用し再構築するという、ま...
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不自由で自由な展覧会:水戸芸術館《山口晃展 前に下がる 下を仰ぐ》
山口晃というアーティストはつくづく自由な作家だと思う。緻密だったり、大胆だったり。ポップだったり、クラシックだったり。クールだったり、おちゃらけてたり。まさに縦横無尽、八面六臂。そうしたさまざまな意味での彼の楽しさが爆発するのが展覧会だ。これまでの展覧会もとても楽しいものだったが、まもなく会期終了となる水戸芸術館で開催されている『山口晃展 前に下がる 下を仰ぐ』は自由な発想で構成された不自由な展覧会だ。その不自由さと言ったら、まさに山口ワールド。なにが不自由かをお伝えするのは簡単だが、ここはぜひ実際に行って、体験すべきだと思う。水戸は遠いなんて言わずに、ぜひ行って体験いただきたい。絶対に...
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兎も蛙も人も、イキイキ。これこそニッポンの表現力の原点。東京国立博物館:《鳥獣戯画 ─京都 高山寺の至宝─》
修復後、京都で初公開され20万人を動員した「鳥獣戯画」が東京で公開される「特別展『鳥獣戯画─京都 高山寺の至宝─』」(〜6月7日)が東京国立博物館で開幕した。四年の歳月をかけて修復した甲乙丙丁の四巻からなる「鳥獣戯画」に加え、断簡4作もあわせて公開される大変貴重な機会となる。また、所蔵する京都・高山寺の中興の僧・明恵(1173~1232)に関わる資料や、国宝「華厳宗祖師絵伝(華厳縁起)」なども展示されている。展示の4分の3は高山寺関連で鳥獣戯画は4分の1、甲乙丙丁が最も人気のある甲巻が最後という並び方。各巻とも前期展示と後期展示で展示される部分が異なり、会期中二回足を運ばないとすべてを見...
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アート?マンガ? そんなことどっちでもいい。キョーレツなコンテンツがここにある:エルド吉水《龍子》
さまざまな巨大なパブリックアート作品を手がけてきたひとりのアーティストが紆余曲折の人生の経験を経て、みずからのアートの原点であるマンガに目覚めた。ギャラリーで立ち読みするマンガ『龍子』を公開するアーティスト、エルド吉水だ。
彼の個展ではマンガ原稿が主役であり、来場者は1ページ目から原画に向き合い、作品を楽しむ。数年に渡ってギャラリーで公開され続けている作品はついにフランスで出版されることとなった。世界発売に先駆けて、国内限定版がまんだらけで購入できる。
昭和の香りのする任侠とバイオレンスとサイケなエロが詰まったストーリーのノワール・マンガはまだまだ展開中。ストーリーの続きはまた東京のどこ...