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東山ブルーが美しい、佐藤卓によるシンボルマーク誕生《山種美術館》
2015年10月13日に行われた『都内5美術館 2016年開催企画展 合同記者発表会』において、山種美術館が50周年記念シンボルマークを発表した。山種美術館と言えば、何と言っても日本画家・安田靫彦(1884〜1978)による「書・山種美術館」を使ったロゴが印象深いが、ここにグラフィックデザイナー・佐藤卓さんがデザインしたシンボルマークが加わった。
この格子の丸窓を思い起こさせる日本的なデザインのシンボルマークは、横組みのアルファベット「YAMATANE」の文字を縦長にして円状に収めたものと、縦組みの漢字「日本画」の文字を横長にして円状に収めたものを重ね合わせている。さらにシンボルマークの...
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フィギュアの原型が圧倒的な存在感を放つ。《中村政人 個展「明るい絶望」》アーツ千代田3331
アーツ千代田3331を率いる中村政人の実に10年ぶりの個展「明るい絶望」がアーツ千代田3331においてはじまった。作品のメインは約40,000枚にもなる膨大な数の写真の中から、1989〜94年のソウル〜東京に絞って厳選した約700点のフィルムで撮影した写真群。自動車の車体を製造する技術を用いた絵画的作品もユニークだが、なんといっても、民芸品などを忠実に巨大化させたインスタレーションが白眉だ。
これは中村の秋田県大館の実家の飾り棚に置かれていた民芸品の人形を、同じ製造技術を使って等身大に立体化した作品だ。中村といえば、ファストフード店やコンビニエンスストアのサインから色や形だけを抽出したイ...
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身につけるアート。コンテンポラリー・ジュエリーの世界《オットー・クンリツ展》東京都庭園美術館
アートとしてのジュエリーを創造するコンテンポラリー・ジュエリー。この分野を代表する、スイスのジュエリー・アーティスト、オットー・クンツリの作品を展観する『オットー・クンリツ展』が東京都庭園美術館ではじまった。
ジュエリーが持つ身体との関係性、さらに他者や社会と結びつけるコミュニケーションの触媒としての性格を巧みに利用して、ジュエリーを普遍的な人間存在や社会のメタファーへと変換させてきたクンリツ。コンセプチュアルなアプローチの作品ばかりではなく、時折、見せるユーモア溢れる表現はこの人の表現の幅、多様性を感じさせ、そこが魅力となっている。
作品の多くはコンセプチャルなもので、男女をつないでし...
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雨の空間の中、水面にたたずむ:奈良美智《Shallow Puddles》BLUM & POE 東京
10月2日から奈良美智さんの個展『Shallow Puddles』が原宿のBLUM & POE 東京ではじまった。
Shallow Puddlesは2004年と2006年に制作されたペインティング作品で、巨大な皿にパッチワークのようにキャンバス生地を貼り付け、おなじみの奈良さんのキャラクターを描いた12点の作品。実はこれらの作品は、2004年に制作された大阪のgraf media gmで6点が展示され、2006年に制作された6点が青森県立美術館の八角堂に展示されていたもので、シリーズ12点が一堂に展示されるのは今回が初となる。
奈良美智さんの作品は実にさまざまなところで目にすることができ...
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新宿にまたゴジラが出現!新宿クリエイターズ・フェスタ2015
新宿駅周辺各所において繰り広げられるアートイベント『新宿クリエイターズ・フェスタ 2015』。2015年8月21日(金)の開会に先駆け、砂像彫刻家・保坂俊彦さんの手による砂像『ゴジラ』がお目見えした。
頭上には「ゴジラVSキングギドラ」でゴジラが破壊した都庁庁舎が精密に作りこまれ、背面にはキングギドラ、側面にはモスラ、ラドン、メカゴジラといった人気の東宝怪獣が。
会場のひとつである新宿中央公園・水の広場に設けられた特設会場にはおよそ50トンもの砂を持ち込んで制作されたもの。8月10日より制作が続けられてきた。完成間近になっての天候の急変で、完成が危ぶまれたが、あとは土台部分に描かれた怪獣...
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極小化されたゆうえんちの記憶《岩崎貴宏展 埃(10-10)と刹那(10-18)》小山市立車屋美術館
鉄塔のような巨大構造物を髪の毛などを使って極小サイズで再現する《アウト・オブ・ディスオーダー》、歴史的な建築を実像と水面に映る虚像を融合させた《リフレクション・モデル》などで国内外から評価が高いアーティスト岩崎貴宏。岩崎の国内初となる個展「山も積もればチリとなる」が3月に黒部市美術館で開催され、7月からは『埃(10-10)と刹那(10-18)』とタイトルを改め、小山市立車屋美術館で開催中だ。
栃木県小山市で開催するにあたり、新たに小山という地に寄り添った内容へと改変されている。その象徴的な存在が《アウト・オブ・ディスオーダー》の中で再現された観覧車だ。小山市は過去、小山ゆうえんちという関...
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Google Art Projectに伊藤若冲『樹花鳥獣図屏風』がお目見え
Googleカルチュラルインスティチュートに、新たに日本の美術館7館が加わり、世界中の美術館が所蔵する美術作品をオンラインで鑑賞できるアーカイブサイト「Google Art Project(グーグルアートプロジェクト)」で、静岡県立美術館が所蔵する伊藤若冲の『樹花鳥獣図屏風』をはじめ486点が閲覧できるようになった。
同プロジェクトへの日本の美術館の協力は2012年の東京国立博物館などの参加からはじまっており、順調に協力館を増やし、日本美術の紹介にひと役買っていると言える。今回公開された作品中、目玉と言える「樹花鳥獣図屏風」は70億画素のギガピクセルで撮影されたもので、肉眼はもちろん単眼...
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怖いのはやっぱり美しい女?《うらめしや〜、冥途のみやげ展》東京藝術大学大学美術館
暑い夏に涼しくなるには、エアコンよりやっぱり怪談。怖い話を聞くのもいいですが、怖い絵がいかがでしょう?
怪談を得意とした明治の噺家、三遊亭圓朝(1839〜1900)が蒐集した幽霊画のコレクションを中心とした展覧会『うらめしや〜、冥途のみやげ展』が7月22日(水)より東京藝術大学大学美術館で開催される。
圓朝は名人の中でも別格とされ、滑稽噺より人情噺を得意とした。「怪談牡丹燈籠」を創作するなど、とりわけ怪談噺が得意で、独自の世界を築くほどだった。その圓朝ゆかりの幽霊画50幅が圓朝の菩提寺である東京・谷中の全生庵に所蔵されている。本展ではそれら“圓朝コレクション”を中心として、日本美術史の「...
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カラフルなボタンが踊る《映像表現の現在―宮津大輔コレクションより》上野の森美術館ギャラリー
上野の森美術館ギャラリーにおいて『映像表現の現在―宮津大輔コレクションより』が現在開催中だ。現代美術コレクターである宮津大輔さんのコレクションよりセレクトされた映像作品で、志賀理江子「カナリア」、志村信裕「jewel」、高木正勝「Tidal」、森山大道「25時 shinjuku, 1973」の4作品が紹介されている。
志村信裕さんの「jewel」は、床面に投影された映像の中を、カラフルなボタンがはじけ続けているもので、実際に本物のボタンを何度も落とす映像を収録して、これを組み合わせたものだ。ちょっと見にはインタラクションのあるものに見えるが実際にはそうではない。にも関わらず、子どもたちが...
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すべてのファン待望! “胸熱” 「機動戦士ガンダム展 THE ART OF GUNDAM」(by entertainment station)
「悲しいけどこれ戦争なのよね」「ジオンを倒すしかない、戦争が終わるしか」「偉い人にはそれが分からんのですよ」…心に突き刺さる言葉が目の前に飛び込んでくる。
『機動戦士ガンダム展 THE ART OF GUNDAM』が7月18日(土)より森アーツセンターギャラリーにおいて開幕した。ワンピース展以来、進撃の巨人展、NARUTO展とアニメ作品をテーマとした展覧会が大盛況だが、まさに真打ち登場と言える。(続きはentertainment stationへ)
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夜の海に花が咲く!《えのすい✕チームラボ ナイトワンダーアクアリウム》新江ノ島水族館
水族館とメディア・アートが出会ったナイトアクアリウム。昨年、開催されて33万人以上を動員し、大好評を博した同展が装いも新たに『えのすい☓チームラボ ナイトワンダーアクアリウム 2015』として、7月18日(土)から新江ノ島水族館においてスタートする。今回、えのすいとコラボレーションするのは、科学未来館での『チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地』での成功が記憶に新しい、猪子寿之さん率いるウルトラテクノロジスト集団、チームラボ。
本展でのメインコンテンツとなるのが同館の中核をなす相模湾大水槽をつかったインタラクティブデジタルインスタレーション「花と魚ー相模湾大水槽」だ。相模湾大水...
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最先端表現と古美術のマリアージュ《木本圭子展 velvet order(ベルベットオーダー/柔らかい秩序)》祥雲
複雑な自然現象などを数式によって表現する際の「非線形構造」を、コンピュータ・プログラミングを用いて高精細映像を描くアーティスト、木本圭子の個展『木本圭子展 velvet order(ベルベットオーダー/柔らかい秩序)』が銀座の祥雲 Shouun Oriental Artで7月11日まで開催されている。
数理モデルによって映像空間に描き出される姿は、複雑でありながらどこか秩序があるように、光の粒子が軌跡を描きつつ、流れ、踊るさまは見惚れる美しさがある。そこにある一瞬の美は日本古来の美の真髄と通底するものを感じさせる。メインの展示は2Fのパブリックスペースとなるが、1Fの常設スペースには最先...