Official Staff
夕日に映える国立西洋美術館で、幻のバロック画家に出会う:グエルチーノ展
日が長くなっているのか、上野恩賜公園に夕日が落ちる速度も少しばかりゆっくりしてきている。国立西洋美術館では最後の大画家と言われるイタリア・バロック美術を代表する画家・グエルチーノ(1591〜1666)の油彩画44点を紹介する国内初の展覧会がはじまる(3月3日〜5月31日)。これらの作品のほとんどはイタリアのチェント市立絵画館の所蔵だが、チェントは2012年5月に地震にみまわれ、大きな被害を受けている。絵画館はいまだ閉館を余儀なくされており、本展ではチェント市の震災復興事業として、収益の一部を同館復興にあてられる。
Official Staff
奇想天外、ダイナミック、極彩色のコージズキン・ワールド:ちひろ美術館・東京
絵本という枠を飛び越えて広がる画家スズキコージ(愛称 コージズキン)の魅力が満載された個展『聖コージズキンの誘惑展』がちひろ美術館・東京で開催中だ(5月24日まで)。絵本「エンソくん きしゃにのる」「サルビルサ」「ブラッキンダー」など、タイトルは知らなくとも、この絵っ!と反応する方も多いだろう。スズキコージの魅力はそのダイナミックな描写、独特な感性から引き出される極彩色で描かれた、奇想天外で幻想的な世界で、本展ではその作品世界をライブペインティングで描かれた巨大な作品を堪能できる。オープニングでは、御年67歳の誕生日を迎えたますます元気なスズキコージが、ベリーダンサーを従え、熱狂的なパフ...
Official Staff
『ホール・アース・カタログ』が示す、世界を見る「視点を変える」こと:第7回恵比寿映像祭
『ホール・アース・カタログ』をご存知だろうか? もし知らなくとも「Stay hungry, Stay foolish」という言葉はご存知だろう。アップル・コンピュータの創設者、スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の講演で学生たちに贈った言葉で、これは同誌の最終号に掲載された。1960年代のカウンターカルチャーを牽引し、その後のサブ・カルチャーやインターネットに多大な影響を与えた。第7回恵比寿映像祭(3月8日まで)では、『ホール・アース・カタログ』以降、インターネットやメディアテクノロジーで複層化した世界をさまざまな映像やインスタレーションを通して見つめる。
Official Staff
チームラボと大河ドラマのカンケイ:チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地
企画展『チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地』が日本科学未来館で会期を延長して開催中だ(5月10日まで)。写真は同展に出品されている「追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして分割された視点 ‒ Light in Dark」のワンシーン。3次元の巨大空間を高速で飛び回る八咫烏の軌跡が、書の筆使いのそれにもよく似て、伝統的な表現とアニメーションが見事に融合したデジタル・インスタレーションだ。この飛び回るカラスを見た記憶はないだろうか? NHKで放送中の「花燃ゆ」のオープニングのタイトルバックに力強く飛ぶ八咫烏のそれだ。実はこのタイトルバックはチームラボ(クレジットは猪子...
Official Staff
この日を忘れない:第二回 3.11映画祭
ことしもまもなく、忘れられない、忘れてはいけない日がやってくる。その日に先駆け、2月21日よりアーツ千代田3331において『第二回 3.11映画祭』がはじまる。3.11をきっかけに生まれた映画を見て、さまざまな人たちの話に耳を傾け、語り合い、これからの世界と向き合いたい。ことしは気仙沼、石巻、いわきといった東北各地の他、全国にサテライト会場が設けられる。またレンタル店で「家路」(久保田直監督)、「遺体 明日への十日間」(君塚良一監督)、「希望の国」(園子温監督)といった作品を借りて、映画祭に参加することも。28作品のどれかひとつでもご覧いただきたい。