電子書籍では成立し得ないアート、それがスー・ブラックウェルが手がける、本を素材とした彫刻=ブック・スカルプチャーだ。ブラックウェルは文学作品をインスピレーションに作品づくりを行う。本を選び、読み終えると、物語のイメージをもとに、読んだ本のページをカットし、本の上に彼女の空想風景を構築していく。本の上という限られた小さな空間に、繊細で儚げな世界が生み出される。彼女の新作となる、ガストン・バシュラールの「空間の詩学」を素材とした「Dwelling すみか」をはじめ、ブック・スカルプチャー11点を紹介する『スー・ブラックウェル「Dwelling -すみか-」』が銀座のポーラミュージアムアネックスで開催中だ。日本ではじめての個展となるブラックウェルだが、すでに世界的に大変高い人気があり、企業のプロモーションやファッション誌でも取り上げられている。熱烈なファンも多く、映画監督のティム・バートンもお気に入りだとか。会期は6月14日(日)まで。