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「英国の夢」ってどんな夢?19世紀イギリスの画家たちが見た理想〜『リバプール国立美術館所蔵 英国の夢 ラファエル前派展』
正直に言えば、『ラファエル前派』というグループの存在は、その中にジョン・エヴァレット・ミレイの名前を見つけなければ、まったく知らないままだったと思う。まして、ミレイの描いた「オフィーリア」が好きでなければ、興味も持たなかったかもしれない。
ミレイのオフィーリアもそうだが、ラファエル前派を成した、ロセッティやウォーターハウスの作品を見ていると、これは一体、いつの時代の作品なのかさっぱり検討がつかなくなる。いや、もちろん、美術史を勉強したり、研究している人にはごく常識なのかもしれないが。
まして、ラファエル前派が発生した場所が19世紀「産業革命」のリヴァプールだなんて聞けばますますこんがらが...
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楽しみは展覧会だけじゃない。『鳥獣戯画 ─京都 高山寺の至宝─』展、充実のグッズに注目
上野の東京国立博物館で開催中の『鳥獣戯画 ─京都 高山寺の至宝─』展ですが、大変充実した展覧会だが、ぜひチェックしていただきたいのが数々のグッズ。公式図録(2,700円)やクリアファイル(600円)や鳥獣戯画のトランプ(写真)、定番の「おたべ」(540円)なんかは序の口。とにかく兎や蛙がかわいい、という方には、兎や蛙が描かれたiPhoneケース(2,500円)やクッション(3,000円)、兎と蛙の口からメッセージの吹き出しがある型抜きポストイット(550円)、絵巻の動物たちが描かれたマスキングテープ(700円)がオススメ。変わったところだと、線をなぞって名場面が写せる写経絵(600円)も...
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東山ブルーが美しい、佐藤卓によるシンボルマーク誕生《山種美術館》
2015年10月13日に行われた『都内5美術館 2016年開催企画展 合同記者発表会』において、山種美術館が50周年記念シンボルマークを発表した。山種美術館と言えば、何と言っても日本画家・安田靫彦(1884〜1978)による「書・山種美術館」を使ったロゴが印象深いが、ここにグラフィックデザイナー・佐藤卓さんがデザインしたシンボルマークが加わった。
この格子の丸窓を思い起こさせる日本的なデザインのシンボルマークは、横組みのアルファベット「YAMATANE」の文字を縦長にして円状に収めたものと、縦組みの漢字「日本画」の文字を横長にして円状に収めたものを重ね合わせている。さらにシンボルマークの...
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台湾式、ちょっとエロくてポップなマンガチック・ワールド:王建揚《宅-HOUSE》
ポップで、ちょっとエロくて、アニメやマンガのような超現実の世界。台湾のアーティスト、王建揚が描く世界はテーマや手法はありそうなものであるはずなのに、中華風味の独特なテイストが漂う。すべてが現実の中のセットで作り上げられているにも関わらず、モデルだけが現実であるかのように浮き出て見えるのもユニーク。モノクロでマンガのコマに描きこまれた世界に、現実のモデルが溶け込んだ作品も必見。「GEISAI TAIWAN #1」で《宅》シリーズで審査員個人賞を獲得した王は、アジアを中心にワールドワイドで積極的に活動を展開している。ウェブを駆使し、絵画やマンガ、ネット上のイメージを引用し再構築するという、ま...